似た石探し/りゅうさん
 
.12.1発行第1刷 p62-63}

 十九世紀のヨーロッパの社会状況と現在を見比べることで何か得られるものがないだろうか。活版印刷はやはりかなり画期的な発明でそれによって本が多くの人の読めるところとなり、小説が登場するころにはここに引用したような状況が表れてきていた。“意志と表象”という言葉は我々にしてみると何を意味するのか捉えるのが少し難しい。と、ここでそのショーペンハウアーに影響を受けた哲学者ニーチェの文もたどってみよう。

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真理が仮象よりも価値が多いなどということは、もはや一つの道徳的先入見である。それどころか、それはおよそ世界に存在する最も拙劣な証明に基づくものなの
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