今となっても/
宣隆
次へ向かうと決めた
太陽が過ぎ去ると
予定時刻に合わせ
それを追う角度で
君は近づいた
偶然を装って
通り過ぎた雨音は
静かさだけを
置き去りにして
星が滲む銀の夜を
足下に映し出した
前髪を伝う雫と
頬を流れる感情を
振り払う仕草で
最後の言葉を
ただ台本通りに
演じきった女は
そして遠くの人になり
今も綺麗な人でいる
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