ギフト/吉岡ペペロ
ッティにのせるシソだ。
「今日はお客さん来うへんからそれぐらいでええぞ」マスターが大悟に近づいてきた。
「マスター、山田さんと……」そう言って大悟はマスターを見ようとした。でもマスターが近すぎて気圧されて見れなかった。
「おまえには手に追えへん、久美ちゃんおまえのこと好きやねんで、おまえは久美ちゃんにしとけ」
まえからこのおっさんの得体の知れない暗さが嫌いだった。
「ぼくの彼女やと知っててしたんですか」最後のほうは声にならなかった。
「大悟、おまえこのまえ久美ちゃんとデートしたやろ」
「あれはマスターがくれた映画やないですか。久美ちゃんと行ってこい言うてくれた映画やないですか」
く
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