白夜/nm6
ぼくたちはときに、ひややかな空をうっすらと着て夜闇の蛍光灯の照らす端で立ち止まる。「ん」とか声にならない音で喉をきしませて、まず見るのは足元の靴だ。重力がぼくをきちんと踏みしめているかどうか、裏側を感じる。そして段階的に目を上げ、その次に首をスタートさせ、いわゆる前方を通り過ぎてそのまま上方を向く。閉じる。鼻を吹き抜けるもので触覚と嗅覚とを確認したら、ゆっくりと頭の中で集中を泳がせる。いつのまにか訪れた頭痛と、波に乗ってやってきた焦燥とを、そのゆるやかな回転で慰める。
何のために、というようなことを
うっとりとフリーズする
ぶちまける夜にゆらゆ、らとして
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