地上の星座/茶釜
雨雲が宇宙を拭うと
夜は一層明るくなって
地上を照らす
俺には生憎
童話の様な
月や星まで届く手も
ブラシもないので
とりあえず
埃だらけの部屋の電球を磨く
少し明るくなった部屋の窓から
外を眺めれば
こんなにすぐ近くに
人の手でひとつひとつ磨かれた
ぴかぴかの街星が並んでいる
人も街の生き物たちも
満天のこの夜空と共に
その一粒一粒の小さな星をも大事にしながら
現在、手を差し伸べあえる仲間達や家族や恋人
それにいつか手の届くであろう何かを想って
明日を夢見ていくのだろう
子供たちは
目を凝らして
まだ天の川を見ている
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