降る日 斑明/木立 悟
 




夜の晴れ間
煙る光
径を曲がり
打ち寄せる白


壁と窓にしか居ぬ波が
角から角を潤してゆく
糸くずの廻転
ただ最初から崩れたかたまり


立ち止まる
また 立ち止まる
夏に融ける冬
冬に沈む夏
上空から視る
迷路のはかなさ


銀の内側
紙の汽車
署名の無い庭
白い白い
つらなりの花


空や夜や
曇をなぞる指が
吸われるように奪われるとき
恐れを持たぬ心を
ひたひたと見つめる


小さく四角い静けさの群れが
さほど高くはない星から来て
ひとつひとつ御辞儀をする
そこに居ないものすべてに向けて


不確かな柱
白と黒
斑な指で描かれた大陸へ
雪に煙り 光に煙り
巨きな円
小さな円に打ち寄せる




























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