青空/
草野春心
わたしは座る
青空がゆれている
かなしいという言葉がなぜか
小さな虫みたいに空気をうめていく
なつかしい歌を思いだして
気持ちだけが静かになっていく
けれども奥の方で光をはなつ
夕焼けに似た炎は何だろう
あなたに伝えたいことがあった
それももう伝え終えたのかもしれない
不意のつよい風に 青空がゆがむ
わたしは 今 ここにいる
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