367/はるな
 
なかへ放り出されればなすすべもなく落下し、恐怖し、そして忘れる。
ある人は植物のように根を生やすかもしれない…しかし時間にとってはそれは些細なことだ…わたしたちは、いつもどうしてもかたちに頼ることになる。かたちは忘れながら年老いてゆく。もちろん風景も年老いる。それは生まれていくということとほとんど同じことだ。わたしがあなたでなく、あなたがわたしでないということは、もしかしたら数ある問題のなかでは小さなことなのかもしれない。小さな、(しかし決定的な)。
わたしの時間はなびくように硬化する、色は、たぶんついている。かたちは様々で、ときどき溶けている。


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