367/はるな
 

覚えているいくつかのことよりも、覚えていない膨大な時間たちがわたしの多くを形作っているということはわたしを強くする。世界は途方もなく広大で無意味に美しく、その無意味さは何よりも尊い、果てのない尊さはしばしばわたしたちを突き落とし絶望させるが、時間はわたしたちを鈍くさせ、落下速度を忘れさせる。わたしたちは高速で忘れながら行く、思い出すのは時折底にたどり着くためだ。それは多くの場合痛みを伴うが、痛みおよび着地(落下の終了)は必要なことだ。わたしたちは体感し、知覚し、思考する。自分の身体と、場所と、時間をだ。世界を見上げたり見下ろしたりし、選択し、決定する。歩き出そうと立ち止まろうと、また時間のなか
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