一匹うさぎの戦争/*くろいうさぎ*
めぐるめぐる言葉の世界
一つの漢字に魅せられたうさぎは迷い込んだ
どの言葉を飲んでも喩きれない
心を掴める詩は上手く歌えず
音痴に通り過ぎて行く
それでも歌うのは
しろいうさぎが死んでしまったから
浮ぶ言葉は酷い酷い言葉ばかり
目の前に死 次は血 次は殺 次は罪
孤独の円で描かれた空間に
目まぐるしく回る言葉をジャブのように取っていく
果て無い闇に溺れても
空は青かった
何処まで墜ちても
月明かりに照らされた
何故世界は私の闇に吸い込まれないのだろう
嗚呼 しろいうさぎがずっと傍に居てくれるんだ
言葉を取り
吹けない口笛吹いている
詩の戦争よ
この不器用な歌を聴いてくれないか
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