あなたが手の平を差し出すから
僕は雛罌粟の種を埋める
それからあなたは人形になって
咲かせた花を握りつぶすこともなくなる
手の甲に
痛みと引き換えに咲かせた雛罌粟が
あなたの胸に抱かれて眠る頃
手を貫通した雛罌粟の根の端を
そっと湿った土の上に載せる頃
眠りに覚めた
根が
そっとあなたのみぞおちに触れる頃
革命を履き違えた牛達が
牧場の草々を静かに炎上させる頃
あなたを愛そうとした僕が
いざあなたを前にして
見惚れる事しか出来なかったこと
(あなたの手の甲から雛罌粟が芽吹く頃
(あなたの手の平から雛罌粟が芽吹く頃