火トカゲの鎮魂歌/ベンジャミン
そうやって夜は沈み
盲目のあなたは歩くこともできず
杖を探して這い回るのです
まぶたを透かす希望に
わずかなぬくもりを感じると
胸の奥に溜め込んで満ちるのを待つ
狂いそうな手足は鉄の鎖で結びます
(安心しなさいあなたは一人です)
善悪の天秤が激しく揺れても
それはくるくると回るだけ
これ以上失うものはないのですから
粉々に砕けても
灰は何も語らないでしょう
常に終点から入り口を見つめるなら
最後に怯えることもありません
(こんなにもあなたは一人です)
そこには哀れみも悲しみもなく
魂が川底の石のようにまるまりながら
あちこち踊り小さくなってゆくだけ
やがて砂粒ほどの
重さも感じないくらいになって
はじめて居場所を得られます
それまで
涙は流さないでいましょうね
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