和解/吉岡ペペロ
 
木漏れ日が飽和していた。梅雨の晴れ間の日差しを歩いていた。
髪の毛やスーツは熱をおびてゆくのに、からだの芯というか、心臓というか、食道あたりというか、からだのどこかが冷えているような気がして息切れしていた。貧血とはこういうことを言うのだろうか。
ひかる歩道をとぼとぼとふわふわと進んでゆく。しばらくゆくとこの時間帯長蛇の列をレジにつくるコンビニがあらわれる。
列ばないと始まらないから弁当をとって列の最後尾に立った。まえに列んだ女の子が足首をぐにゃぐにゃさせて暇を持て余している。それを見つめていた、というよりいまの息切れした感じを見つめていた。

ある日ぼくは彼に無視された。彼と仲直りするよ
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