老いの演繹?/信天翁
 
        減価償却を終えた
     ベランダの屋根の端から
    垂れ始めた雨垂れを眺める

円錐のしずくはセピアいろとなって
  際限なく奈落に落ちてゆくのか
      卒寿のおひとりさまが

            映しだす
        現身の愛おしさと
      はかなさとを含ませて






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