僕のなかの思想が燃える/伊藤 大樹
捨て続けた
新しい言葉を出産するために言葉の胎児を何度も殺した
世の中は言葉の殺人犯でいっぱいだ
熟れた林檎を齧ってはすぐに倦んだ
人生の脚本家が僕でなかったとしたら・・・・・・
傘傘傘傘傘傘傘傘傘傘傘傘傘傘
雨のたびに浪費される新宿がある
雨のたびに浪費される大学がある
平均台を落ちまいと器用に歩く人を僕は軽蔑し
朔太郎にとって竹とは憂鬱の象徴だったと記憶する
肺のなかを一本の電車が通過し
やがて昼でもないのに明るい荒野に君は辿り着く
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