Re:Re:/竹森
 
を撫でていると、指紋が奇妙な紋様を描いて、まるで盲目の赤子らの叫喚さえ、この耳にまで届きそうだ。昨日までの今日。今日からの今日。窓はすっかり開け放たれている。
隣人にはこの文章は、耳障りなだけの、キーボードのパチパチと鳴る音でしかないのだろう。そう考えると私は救われたような気になり、そして救ったのは×××××××であり、選ばなかったのは選ばれたからであり、窓の向こう、電線が遮る青空を見遣る。





年月にして8年間、私は×××××××の肉体のみを食し続けてきた。×××××××はあの華奢な肉体で、私の肉体をこれだけの間養い続けてくれた。それはとても愛おしくもあり、どこか不気味でさえもあり、私はときどき×××××××でない何かを食しているような気さえしてしまう。それでも飴玉を目の前にちらつかされた人間のような単純さで、×××××××の×××××××を信じ続けた。それは年月にして8年間。目の前にちらつかされた飴玉を手に入れた人間がそうするように、私は×××××××から抜け落ちた髪の毛や剥がれ落ちた爪垢を舌の上で、先端で、転がし続けた。

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