歯磨き/アラガイs
の入り口はちゃんと拡っていたよ
生きている限りは仲間さんなんだろう
そんなに食い散らかしてばかりで異臭はしないのか、
と、キスしても心配の方が先に立つけど
きみが化け物に変わらないうちに僕が食べることを止めたい
「そんなことできるわけないさ」
世界に穴が開いて、先に棲み着いたのは僕の方なんだから
もっと古い食べものならよかったんだ
たとえばきみの穴が開いたまま
僕は鏡を見ることを止める
少しずつきみの歯も欠けて最後には無くなるけど
中途半端でもお金は使わなくてはならないものだから
きみは仲間とすべてを失うだろう
そして何も残らない毎朝
また鏡の中を見る
開いた口の中にはソロな泡が拡がり
歯ブラシと外の待合室は消えた
これで不愉快な気分も収まる訳で、
、景色が染み入るじゃないか
だから、もう、
、みつめたまま僕に話かけないでくれよ 。
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