不幸/青井
網戸に身体を打ち付けて
羽虫が自由を欲しがっている
窓を開けてもいいけれど
他にも虫が入ってきそう
きっと君は悪くない
たぶん僕も悪くない
誰のせいでもないけれど
僕らは静かに不幸だな
互いの身体を押し退けて
吊り広告に視線を逃がす
混み合う車内にまた今日も
車掌の謝罪が響いている
きっと君は悪くない
たぶん僕も悪くない
誰のせいでもないけれど
僕らは愚かで不幸だな
どこにも行けずに?いている
逃げ場もないのに抗っている
本当は幸も不幸もないのだ
生きているのが悪いんだ
そこに君がいるだけ
ここに僕がいるだけ
誰のせいでもないけれど
僕らは無邪気に不幸だな
戻る 編 削 Point(2)