不幸/青井
 
網戸に身体を打ち付けて
羽虫が自由を欲しがっている
窓を開けてもいいけれど
他にも虫が入ってきそう

きっと君は悪くない
たぶん僕も悪くない
誰のせいでもないけれど
僕らは静かに不幸だな


互いの身体を押し退けて
吊り広告に視線を逃がす
混み合う車内にまた今日も
車掌の謝罪が響いている

きっと君は悪くない
たぶん僕も悪くない
誰のせいでもないけれど
僕らは愚かで不幸だな


どこにも行けずに?いている
逃げ場もないのに抗っている
本当は幸も不幸もないのだ
生きているのが悪いんだ

そこに君がいるだけ
ここに僕がいるだけ
誰のせいでもないけれど
僕らは無邪気に不幸だな

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