『望めても選べない』 卵から始まるはな詩?/ただのみきや
「生きて 在る」 ということを想えば
やはり不完全だ
「生きて 在る」 ただそれだけでは
感じ 考え こうして思念で交信する以外
何もできることはない
私たちはどんな姿をしているのか
私たちの外に何があるのか
私たちは知らない
自分の外の様子を自分の外縁らしき部分を通して
感じ取る 微かに 微かに
振動や 温度 明るさ
その淡い感覚の中で
いつしかぼんやりと
意識は目覚め
やがて周りにも同じような存在が幾つもあることを
飛び交う思念によって自然に憶えて往く
思索や想像は自然に共有される
それは波のように伝わり
また波のように返ってくる
そのことで私たち
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