ゆるし/葉leaf
 



生まれてくることを
たくさんの罪行を
積み重ねていくことを
風の広がりそのものである
行政官にゆるされたときから
私も同じ分だけ他人の罪行を
ゆるすよう定められていた
私は未来に向けられた契約を結んで
この世に生を受けたのだ
この契約書は今でも
あの風のどこかに表現されている

いくら他人がゆるそうとも
自分の罪は大風として吹き荒れ続け
不動に残り続ける
だが他人が自分に対して働いた罪なら
まだ柔らかい風の種子を閉ざしてしまえば
残さずに済ますことができる
私の中を循環する風は
それによって乱されることはない
これがゆるしである

私の骨に傷
[次のページ]
戻る   Point(3)