辻斬り批評モードー辻征夫の「むずかしくない詩の話」を読んでみた戦慄/石川和広
 
最近、詩の森文庫というのが出ていて
辻征夫さんという人が書いている。この人、亡くなったのが60だから、僕の親父が60だから、今、死んだらと想像するだに、コワイ。
それは、さておき、1939年生まれだから、早くにいい人を亡くしたもんだと思う。
「かぜのひきかた」という、さみしいときにかぜですか?といわれると、カゼみたいな気分になってきて、ホンマにカゼ引いて休めるという、とてもリアルで、深くて、面白い詩を書いていた。
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 こころぼそい ときは
 こころが とおく
 うすくたなびいていて
 びふうにも
 みだれて
 きえてしまいそうになっている
 こころぼそい
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