この街の説話/
吉岡ペペロ
街の血をすって雲がひかっていた
電話をしても
電車にのっても
まるいものを意味もわからず探していた
からだのちからを抜け
悔しくても
みじめでも
焼け石に水でも
遺されるものたちへ
理不尽が降りかかろうとも
文字にこめ
ぼくがこの街の説話をあつめてゆく
街の血をすって雲がひかっていた
電話をしても
電車にのっても
まるいものを意味もわからず探していた
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