愛歌? <24度目のクリスマス>/南無一
 

生まれて24度目の クリスマス・イブの日に
ぼくは初めてプレゼントをねだった
それが何か きみは知っていますか?

「里子さんを ぼくにください」

この言葉を言うために
ぼくが 一週間も 鏡を相手に 練習したことを
きみは 知っていましたか?

去年のクリスマスまで
ぼくは いつも一人で歩いてきた
だから こうして 二人して歩くことに
初めは とても ぎこちなかった
でも今では どう? 
とても 板についただろう
一人で歩いているときの方が 妙に ぎこちなく
思えてしまうほどに・・・

空に 凍ったオリオンが 張りついている
見上げたぼくが ニ三度 身震いしたのは
それは 急に 吹いてきた
風のせいじゃない
それは ありふれた 何処にでもある
出来事かもしれない
だけど これからは
きみと ぼくの 二人きりで
ただ二人きりで 新しい人生に 挑むのだから・・・

身震いしたあと
ぼくは きみの手を 強く握りしめた
きみが しっかりと 握り返してくる 手応えが
うれしかった


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