外傷の朝/葉leaf
 



こんなに晴れているのに
こんなに暖かい朝なのに
激しく雪が降っている様子がはっきりと幻視される
今日は真冬

すべてのものは明らかに死んでいる
ただ物質が動いているだけなのに
生命を持っていることを疑わない
生命を成立させるあの躍動が
すべてのものに欠けているのに
すべてのものは自分が死んでいることに気づかず
小賢しく生活を続けている

俺は悪者でいい
嫌われ者でいい
被害者でいい
世の災厄を一身に受け
世の悪評を一身に受けて
ただ野原の木の下で涼しい風を受けていよう
俺はもう何もいらない
大事な宝物など捨て去って
他人のガラクタを受け止めるよ

俺はくだらないほど優しいから
あなたたちの分まで傷ついてあげよう
優しさが大嫌いだけれど
そんな大嫌いな生き方しかできないから
あなたたちの傷を引き受けるよ
俺は世にも美しく傷ついていく
夜の多彩な電光のように
生命の豊かな芽吹きのように
傷はとても美しいから
そしてそんな傷が大嫌いだから

戻る   Point(2)