愛歌? <出発(たびたち)の朝>/南無一
 

今、 ひとつの 朝が 生まれでる

やわらかな 光りに つつまれて
きみの頬が 耀く

朝露に 濡れた きみの睫毛に
そっと 唇を あてて
まだ すこし寝ぼけぎみの きみを
目覚めさせよう

追いかけてきた あの かなしみは
置き去りにして
捨ててしまおう

道端に 転がった そいつを
誰かが そっと
拾っていって くれるだろう

わずかばかりの 虚しさと
すこしばかりの 煩わしさと

いつも こころ 落ちつきなく
いつも こころ 傷ついていた

そんな 悲しい日々からは
もう
旅立とう

薄桃色の二枚の 切符を 握り締めた
きみの ちいさな手を
ぼくは
しっかりと 握り締めて


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