罪/花形新次
 
おまえが無実の罪で疑われたなら
取りあえず信用はされていないと
考えるべきだ
アイツならやりそうだと
思われていたということだ

そんなとき弁明に終始して
その場に残るよりも
俺はやっていないと
一言だけ言って立ち去る方が
男らしいと思う

もしその人物の名を口にしたら
おまえの罪は晴れるだろう
しかし
おまえの心が晴れることはない

それはおまえが
一番知っている筈だ

戻る   Point(2)