うつけもののささえ/あおば
 

勝子の論理はいつも正しく一直線に人の心を打つ
だから僕は素直な気持ちですぐに署名に応じたのだけど
素直になれない人も居るだろうなとは考えている
最愛の人を惨殺されたりしたら、その犯人を素直に許す
そんな心境にすぐに成れるだろうか
無理して許しても無理が破綻して違うところに怒りが向く
ことになるのではないか
勝子が酒酔い運転の車に轢かれても、署名活動を僕は
続けられるだろうか
縁起でもないことを考えた途端
戦場で敵兵を撃つのは犯罪ではない
無論、死刑にはならない
しかし、撃たれて殺された敵兵にしてみたら
裁判無しに銃殺されたことと同じだ
双方が相手を殺す平等の機会を与
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