愛歌序章・秋<花の名は>/南無一
 

わたしの好きな お花は
 ね
  フリージア
      と
   すこし 顔を
 あげて
      得意気に
  あなたは いった

ふりーじあ?
 ぼくは
 そのふしぎな 花の名を
 知らなかった

あなたの好きな
   お花は
     なあに?

瞳を
 かがやかせて
     幼な子のように
        あなたは 問うた

ぼくは 戸惑った
好きな花のことなど
これまで 考えたことが なかった

コスモス     と
 ぼくは 慌てて 答えた
 
     すこし 首を 
傾げて
        あなたは
   明るく
      微笑んだ

眩しいばかりの
    秋の
 空が
      あなたのうえに 
あった



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