女子高生と人魚/愛心
じ登り 飛び越えると プールのある校庭まで走った
目隠しとフェンスで囲われたプール
それでも足りないのか 名前も知らない木々が無造作に繁っていた
そのうちの適当な一本によじ登り プールデッキに目を凝らすと
制服に身を包んだ彼女が 携帯電話を握って幸せそうに笑って立っていた
私の携帯電話が震える
来てくれて有り難う
わたしのおうじさま
「王子さまじゃないよ 何をする気なの」
焦りが滲んだ私の言葉
彼女は ぼんやりと光る液晶を見ながら何かを打ち込み 顔を上げた
見て
唇を動かし微笑みかけた
私が携帯電話を開くと 満足げに頷き 自分のそれをプールに投
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