たゆんぽらん/秋也
緩くいこう
白糸崩れの消えかけが
ホツレテホツレテ
縮れ弱
張れば切れ
弛めば頼りなげ
かろうじて存在す
左様か
左様か
いかように
ただ置く
一本億千万
眺め悩み諦め気になり戻り
ただ糸一本
頬に二筋の川
涸れそうで涸れぬ
仇討泣き子は幼さオシャレ
洒落てシャクレテ夢みる
全裸
タンスの中から
隠し打ち
箪笥の中から
箪笥の中には
箪笥の中に
押入れへ
布団重ねる牢名主
気づけばバラバラ
灰汁を取り
浸して忘れて
ほうれん草
無無厄夢と糸たより
摘まんで飲み込み安心す
栞にはならぬ
本を閉じたら忘れよう
ページもあなたも消し去ろう
一人ひとりで
緩くいこう
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