海月通信/梅昆布茶
 

わたしは海の月
波間を漂うお月様の影です

仲間があなた達を刺すこともありますが
JAWSほどの脅威でもないので許してやってください

ときどきあなたがたの住む都市という
人工世界を遠望することもあります
明るい世界も嫌いではないのです

人間にも会ったことがあります
なんだか流木のようにごつごつして

わたしたち浮遊する動物には
遠い存在なのかもしれません

発光するおびただしい海蛍のように
眩しく夜を彩る色彩が文明とかいうものなのでしょうね

あまり変化がないようにみえて
はげしく生成し消滅する生命の海に浮かんでいます

新しい発見は少ないのかも
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