聡明であるべきふたり/AquArium
目が覚めた時に触れた
手の先がジンと痺れていた理由は
握った力が強すぎていたからなのか
心地よい鈍痛に包まれて
寝息を聞いている朝
無言のまま身体ごと引き寄せては
暑さのせいなのか
朝がきたという事実のせいなのか
わたしはまた、
苦しくなって寝返りを打つ
分厚い身体の重みと
憶えてしまった匂いに
やけに安心して、
ゆっくりと額をつけては、
朝を盛大に無視してみる
微睡みの中つぶやいていた
なんの夢を見ていたの?と
たずねても、
…分からない…と
微笑みながら瞼を閉じる
そんな無防備な顔が
憎たらしくて可愛いから
不覚にも切り取ってしまった
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