盲目/為平 澪
 

私に似た首が祀られている
下には私が今まで棄ててきた手や足や内臓が
小さく干からびてさらしものになっていた
壁から臭いと鼻が笑い出し 口たちに唾を吐かれている

   もう誰も手を繋いでくれないのだとわかった
   一緒に歩いてくれる人はいないと知った
   そして私にはなかの良いお腹はなかった

だから限界まで旅をしてきました
(お父さん、お母さん、あなたたちが言い残したこと全てを見つけるために

瞳孔を開いたままの顔の
右目と左目が 私の姿を認めると
涙と共に 
私は目蓋に 押し潰された



今年も祠から 赤子のはしゃぎ声や泣き声が響いてきます

油蝉たちが五月蝿い、のか
目を閉じなければ 
聞こえることは
決してない

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