クリーン・ルーム/ホロウ・シカエルボク
 








デスクに投げ出されたままのボールペンが
扇情的なひとことを書きたがってる
牛乳で流し込んだコーン・フレークの糖分が漂ってるあいだ
チェアーの背もたれに身体を預けて口だけがとりえの年寄りみたいになってる
昨日電話をかけてきた友達の名前が思い出せない
一時期はかなりつるんでいたやつだったけれど
思い出そうという気にならないので
とりあえず運命にあずけておくことにした


天気予報の通りに雨は上がったがいまひとつすっきりしない天気だぜ
陰口の得意なやつみたいにグジグジとした空気だ
そのせいか飼犬のように表に躍り出るような気分になれなくて
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