雨間/春日線香
雨が降るたびに気温が上がっていく
ベランダでシャツが風に吹かれて
夜までそのままでいる
0時を過ぎてようやく
ロビーの郵便受けを確認する
区報
ダイレクトメール
それらをまとめてポリバケツに捨てる
管理室の小窓に観葉植物の鉢が置いてあり
少し萎れている
歩きながら
合評会に持ち寄る詩のことを考える
(この詩のことだ)
何度か書いては消し
どうしても気に入らなくて
締め切りを間近に
スーパーの角を折れる
こんな風に悩むポーズだけで
行を進めてもいいけれど
信号の黄色い点滅
白線以外を踏むと
地獄行き
道なりに環状線のほうに出て
レストラン
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