おとなロボット/ただのみきや
 
れなかったこどもは
ロボットを自動操縦することを身に着けた
ロボットの中で爪を噛みながら
自分が人々のために大活躍する物語や
昔の同級生の女の子と愛し合う夢を見ていた
ロボットは時代の流行りに合わせて
外観のデザインを少しずつ変えて行った
時々新しい機能も搭載したが
いつのまにか失われた機能も多かった
長い戦いであちこち被弾して
傷や凹みもたくさんあったが
いつも塗装で目立たなくうまく誤魔化していた

ロボットは旧式となり
やがて戦場を去った
するとだんだん動きが悪くなり
あらゆる部分が劣化していった
むき出しの感情を変換して
そとづら良いものにする機能は停止し
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