NEKOTALGIA・? <彼が それを 教えてくれる>/南無一
彼は いつも 何を 見ているのだろう?
それは たぶん、 永遠の時間と 無限の空間
けして 変わらないもの
彼は それを 見ている
みたまえ、彼の 軽やかな 足の運びを
まるで ブッタの 歩みのようだ
豊穣な沈黙を引き連れてしなやかな尻尾が天空を刺す
そのとき 君は 見るだろう
天上から落ちてくる光の束を
そらぞらしい質問をするのは もう やめよう
実存的な問いに答えを得たいなどという非現実的な願望は無意味だ
深淵の眼球が それを諭す
すべてのわずらわしさの基である人間というこわばった皮膚を脱ぎ捨てる
そのとき 彼と同じ 静寂を 得ることができるだろう
空虚を見詰めても こころにざわつきがないこと
むしろ それを 愛しさせ できること
大切なことは ただこころのままに、今、ここに、在ることだ
彼が それを 教えてくれる
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