重奏/木立 悟
 





会う度に己れを捻る桜かな



葉の下の葉から陽を見る冬双子



斜めには斜めの息吹はたく初夏



冠に冠かさね見える冬



雨が降る自堕落な手に樹を刻む



白を視よ十五より前の白を視よ



瞳から瞳を取って淵見酒



どこまでも応え少なき雌蕊かな


















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