自我像/十七歳/かんな
 
流に決してやましさはないから

訂正済みの標識など見つめないでほしい
つながりひろがりくらがりこわがりつよがり
横断歩道を渡ってわたしを愛してほしい

とめどない空気のふれを必要以上に求めて
呼吸するたびに酸素と窒素が肺に絡まり流れた
懐かしい友の笑顔を時間の経過以上に美化して
母に伝えきれない愛を求めてくだけた
時にいつわりの恋に身をゆだね傷つき
そのおもかげを父に映してはこどくになる
ゆうぐれは悲しみの象徴として落ちていき
ともしびのまたたきに涙の渇きを覚えてしまう

そしてバカげた遺書の真似事をして紙に記す

アイデンティティの崩壊を前にして
わたしはわたしを保存する





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