頭の中の靄、表現すべく綴る即興の詩/ねこ歩き
 
さあ 嘘で塗り潰した世界を僕に見せてよ
真夜中に漕いだ船が向かうは 銀河の果て
なんちゃって本当は ただの湖で 鳥たちが羽ばたいた
幻想を装うかのように夏の雪が降る

夏の雪が降る

桜が咲いたのは記憶の中だけで
一度だってその手に触れたことはなかった
見るものすべて 触れるものすべて あらゆるものすべて
君のキスひとつに すべて含まれていた

抱きしめて眠りたい

叔母から手渡されたビー玉に写り込んだ醜い顔
屈折して 歪曲して Y軸を跨いで 次元は歪んで
それでも何かを確かめたくて 共通項探して
計算式当てはめて その方程式 ピタゴラスより程遠い

雷は雨に
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