かれら/
草野春心
かれらが、一体なにを
言いたいのかちっともわからず
ことばのなかにひらめく暗闇をさがした
目を凝らして 耳を澄ませて 鼻をとがらせ
けれども本当はかれらにも
わかっていないのだと気付いていたから
さようなら もう間もなく私も出かけるつもりだ
窓をとじて かばんを持って 部屋をくらくして
さようなら もうきみたちに 会うことはないと思う
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