雨の日のお迎え/あおば
が笑顔で迎えに来ている
うらやましいと思うことも無く、我が家はそんなことは無理なのだ
そんな幸せは、他の世界のことで私には無関係なのだと気にもせず
少し放心したように、帰ってゆく群れを注視していた。上手くすれば、同じ方行で
途中まで傘に入れてくれる子が現れるかもしれないないから、少なくなってゆく
同級生の動向を眺めていると、突然小声で名前を呼ばれて、若くはない母が教室の入り口に傘を持って遠慮がちに立っていた。それはとても現実のことには思えずなにも感情が湧かなかったが、やはり素直に嬉しかった。忙しい中を無理をしてきてくれたのだと思いながらもなにも発せず、雨の中を黙って傘を差し母と二人、会話
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)