雨/
佐藤伊織
ふってくるものがたとえ伝えたいことでなくても
私のところにふってくるのなら私がそれを伝えよう
どうしても走り出さずにはいられないのは
扉だけが幾つも私たちの家の中にあらわれるからである
その扉は囲われたもの境目に突如としてあらわれる
だから/わたし/は
囲われたものを破壊せずにはいられないのだ
壊れていく家の中で瓦礫は天井からも空からもふってくる
あらゆるものが私のところへふってくる
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