雪の日/opus
その日、
僕は小学3年生で
塾の帰りだった
家の最寄りの駅まで着いて
ホームを出たら
あら、びっくり
見慣れた街は
雪に埋れていた
その日は記録的大雪で
世界はシンと静まり返っていた
あぁ、こんな日もあるんだな
不思議だなぁと思って
目を閉じて
空気を吸うと
体中に冷たさが響いた
地面は雪に埋れていて
どうしたもんかと
とりあえず、公衆電話から
家に電話した
すると、
「わかった、
迎えに行くからちょっと待ってて」
僕は母親の車を待つために
近くのベンチに腰掛けた
遠くの方で
お婆さんが柴犬を散歩させていて
転げ無いか
冷や冷やし
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