魂の商売/やまうちあつし
 
詩人と娼婦が恋をした。

詩人は娼婦を
身請けする金を持たなかったので
詩を書いた。

娼婦は感動を
伝える頭と言葉を持たなかったので
体を捧げた。

硬いベッドの上
二人は一つの円の姿勢のままで
眠りにおちた。

それは一つの商売だった。
戻る   Point(1)