奇跡の耳/
ガト
雨で
ヒゲが湿って
しょぼくれてる猫
軒下から
灰色の空を呪い
ふやけた肉球を
丹念になめまわす
寒いだろう、とか
冷たいだろうと思うのは
いつだって人間の勝手で
猫はその時
はるかな草原に鳴る
草の音を聞いていた
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