雨の日のお迎え。/梓ゆい
 
昨晩の雨は雪へと変わり

昼過ぎには太陽にバトンを渡す。

帰宅した父を囲み

静かに語らう母と娘たち。

その手は何かを決意し

何かを覚悟するかのように

しっかりと握られている。

「今日は、誰がお父さんの側で眠る?」

母の問いかけに

黙って手を上げる妹二人。

その日の晩

雨よりも激しい泣き声が

家の中でこだました。
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