ロケットの買ったペンダントではない。/GGP
ロケットが、宇宙に飛ぼうとしてるんだけど、
彼は、昨日しばしのさよならを言い残した彼女のことが気がかりで、
飛び立つことを躊躇しているように見えた。
「大丈夫だよ。ちゃんと待っててくれるさ。」
「いや、心配なんだよ、俺がいないとさ、何にも出来ないんだ。」
「そうか、もちろん、心配なのはわかるけどさ」
彼がそういう話をするのは、いつもの事だ。
僕はタバコをくわえ、ライターで火をつけようと思ったが、
ちょっとやめておくことにした。
僕はちょっとだけ知っていたのだ。
この間、ロケットが研究所のメカマンに最終のメンテナンスをされていた日、
彼女が、マラガの百貨店
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