誰が住んでいてもおかしくない/GGP
今日はこの洞穴のなかで一夜を過ごすしかないかな。
と僕は思った。
外はとても寒いし、
それに地図もどこかで探さないといけない。
この地図は、ちょっと縮尺が大きすぎて、
ひとり旅にはあまり役にたたないから。
ライターで火をつけようと思ったけど、
オイルが切れかかっていて、うまく火がつかない。
洞穴を進むと、いろんな看板やら、
使い込んだ家電製品があった。
やっぱりこんな立派な洞穴なら、
誰か住んでいてもおかしくないよな。
僕は、風が入り込まないあたりまで中に進んで、
ライターのかわりになるようなものはないか物色した。
学習机の中を探していたら、ディズニーキャラのノートがあった。
ノートには、同級生の伸介君が好きだとか、
サッカー部の浦田先輩も捨てがたい、というような内容が書かれていた。
ノートをこっそり読んでいたら、いつの間にか眠りについていた。
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