ゴッド・ハンド/
為平 澪
切れになって
夜、燃やされたり ばらまかれたりして
宣伝された
手袋を嵌めた手は毎日 器から
人を掬ってはこぼし 掬ってはこぼし
持ち上げた人数だけ指折り数えた
( 数字だけが、行進していく
( 記録は、看板を作る
※
朝日が昇る寸前
現れた巨大な透明な両手
その手は
こぼれ落ちた人も手袋の人も
数えないで 抱き上げ掬い上げた
※
それらを
夢にして見せるには
数える指が いつも足りない
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